ゆっくりと視線を上げる。



教室の隅で、ロッカーに腰掛けた大地の横顔が見えた。



その目の前に立つのはいつか私の髪を切った巨乳の先輩。




2人は私の目の前で、




キスをしていた。






思わず目を見開いて、身を引いた拍子に扉がガタンと音を立てた。




振り向いた大地と目が合った。


でも、すぐにもと来た道を走った。




心臓がバクバクと大きな音を立てている。




わからない。


わからないわからないわからない。




本当に大地は私を好きなんだろうか。


先輩と別れる気があるのだろうか。





わからないことだらけの中で、一つだけはっきり思い知った。



大地は、先輩の彼氏だってこと。






何を夢見ていたんだろう。

何を思い上がっていたんだろう。





私は初めて自分の愚かさを、痛いくらいに思い知った。