あたしがいつもと違うことにやっと気づいたのか、笑うのをやめた。


「よみ、何を聞いたん。」

「…………。」

「ごめん笑わんから。」


眉を寄せた顔を見て、思い切って言った。


「3年生と付き合ってるって、本当?」


一瞬気まずい沈黙があった。


「6月から付き合ってるって本当?」


嘘だよそんなの。アホやなぁ誰から聞いたん?


そうやって笑ってくれたら、きっと私は大地を信じた。



だけど。



「ごめんよみ。…本当。」



現実は、甘くない。




頭が真っ白になった。


どうしていいのか分からない。




確かに、付き合おうって言葉は無かった。


好きだよって言って、それだけだった。



だけど。



「よみを好きなんは本当。世界で1番愛しとる。これだけはほんまに。」


だったらどうして?


彼女と別れないの?



「よみを1年の頃から好きだったんもほんま。ほんまに、よみが好きや。」



だったら…

「だったらなんで…?」


堪えた涙が瞼で揺れている。


零れる前に全部聞きたい。