次の日は朝から授業をサボった。


保健室に行くと言って教室を出た後、そのままウサギ小屋に向かった。



誰とも何も話したくない。




セイコがキャベツを頬張る姿を眺めて過ごした。



「やっぱいた。」


もう何限目か分からない。

ぼーっとしていた私はすぐに反応できなかった。



振り返ると大地が近づいてきて、隣に腰を下ろす。



今は1番会いたくない人なのに。




「どしたんもう昼休みやで。ずっとここおったん?」


「ん、うとうとしてて。」


大地の指が私の前髪をすく。


悔しいけど心地よくてゆっくり目を閉じた。



「俺は前髪作ったん正解やったと思うなぁ。可愛い。」


その笑顔で、その優しい口調で、本当は何を考えてる?



「あのさ大地。」

「ん?」

「聞いたんだけどさ、」

「ん。何を?」

「彼女いるの?」


一瞬の間があった。


けどすぐに笑い出した。



「なに言うてん。なんかあったん?」

「………。」


どうして笑うの。なんで否定しないの。



泣きそうになって、目を逸らした。