修学旅行熱も少し冷めた頃、再び席替えの日がやってきた。


まず男子を廊下に追い出して、女子がくじを引く。

その後男子と入れ替わり、全てのくじが引かれるのを待った。


全員の席が決まれば学級委員が結果を黒板に書いていく。




まさか4回続けて隣が柊なんてあり得ないだろうと安堵しながら、発表された席順を見て……唖然とした。


また……。

なぜに………?



一番後ろの窓際に藤沢、その隣には柊とはっきり書いてある。


「委員長。」

思わず立ち上がってしまった。

ざわめいていた教室がシンとなる。


「どうしました藤沢さん。」

「あの…これ、くじ引きですよね?」

「はい、くじ引きです。あなたも引いたでしょう?」

「あー…いや、はい。」


どっと笑いが起きて、急に恥ずかしくなる。


くじ引きで4連続なんて本当にあるの?

あっていいの?


むしろ交友を深めるためにも違う人間同士が隣になった方が……



頭の中で講義したけど、もうみんな席を移動している。




「また隣か。お前俺のこと好きやなー。」


それはこっちの台詞だ。

言いたいことは沢山あったけど、もういいやと諦めた。