俺の気持ちには、全く気づいていなかったような表情を見せる華。



もしかして、いまキスするまで本当に俺の気持ちに気づいてなかったのか?



ウソだろ?鈍感なやつ。



まぁ、華らしいけど。



「……あたしだって色羽のこと好きだよ?でも……」



華の“好き”と、俺の“好き”が違うってことは、わかってる。



「あたしたち幼なじみでしょ?」



俺はしゃがんだまま、華の体を抱き締める。



「ちょっ……色羽っ」



ぎゅっと強く抱き締める。



「幼なじみだよ。でも俺は……華のことずっと前から幼なじみ以上に思ってる」



ひとりの女の子として見てる。



ずっと前から。



「俺の初恋は、華だから」



初恋はいまも続いてる。



「あたしは色羽のこと好きだよ……でもそれは恋とか、そういうんじゃなくて……」



「華の気持ちはわかってる」



わかってるけど、止められねぇんだよ。



「成のことが好きなんだろ……?」