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教室の隅で、成と西内が楽しそうに話しているのを、華が自分の席から見つめていた。
華の表情を見ていたら、嫌でもわかってしまう。
華は否定してたけど、俺にはわかるよ。
華の気持ち。
華は……成のことが好きだったんだな。
俺が華の気持ちに気づいたのは、最近のこと。
華はいつから成を想ってたんだろう。
成を見つめる華を見ていると、胸が痛む。
「華」
俺は、華の席の前に立った。
「ん?なに?色羽」
華は、俺に笑顔を見せる。
俺も華と同じだった。
わざと明るく振舞って、なんでもないような顔をして……。
「あのさ」
俺は焦る気持ちを必死に抑えていた。
「土曜の夜、花火しよーぜ」