見慣れた部屋の天井を見つめる。床に敷いた布団の上に寝ている感触。
ここは、あたしの部屋だ。
目が覚めているのに、まだ首が苦しい。そして左足が特に重たく感じる。
「……すぅ」
右の耳元で聞こえた、かすかな息の音。
横目で右の方を見ると、色羽が気持ちよさそうな顔で眠っていた。
そして、あたしの首に色羽の骨張った腕が巻きついていることに気づく。
……あたしの寝起きを害したのは、これか。
「……ん……にゃ」
そして左側から聞こえた声の方に視線を向けると、成がこれまたスヤスヤと気持ちよさそうに寝ている。
視線を下の方に向けると、あたしの左太ももの上には成の右足が乗っかっていた。
金縛りなんかじゃなかった。
あたしが身動き出来なかった原因は、あんたらかいっ!
――ピピピッ、ピピピッ……。
ケータイのアラームの音が鳴り続けているというのに、色羽も成も起きる気配はまるでない。
それにしても、ふたりとも男のくせに寝顔……天使か。
悔しいくらい可愛いし、小さい頃のまま……って、
のんきに寝顔見て微笑んでる場合じゃなかった。
「起きろーーーいっ」
あたしの叫んだ声に、ようやくふたりは目を覚ました。