「うん……聞いたっていうか……」
見てしまったっていうか。
「色羽も、ふたりが付き合ってること知ってたの?」
「あぁ、成から聞いた」
色羽の表情は、いつもと変わらない。
色羽は、ふたりが付き合っても、なんとも思わないの?
あたしだけが、こんなモヤモヤした気持ちなの?
「な、なんかさぁ、びっくりだよね。いままで成に彼女なんて出来たことなかったのにさ……」
「俺らもう17だし……そういうこともあんだろ」
「まぁ、そうだけど……」
あたしがうつむくと、色羽は聞いた。
「いやなのか?」
「そ、そんなんじゃなくて……」
「寂しい?」
「……色羽は寂しくないの?」
色羽は、なんともないの……?
「成が西内と付き合ったからって、別に俺たちの関係が変わるわけじゃないしな」
「それは……そうかもしんないけど……」
でも、いまだって電話しに外に行っちゃったり。
いままでの成とは違うよ。
成が変わっちゃうのが、あたしは嫌なのかな。
それを寂しいと感じてるのかな。
だからふたりが付き合ってることを素直に喜べないのかな……。
「華」
「ん?」
「もしかして、成のことが好きなのか……?」
色羽は、あたしの瞳をまっすぐに見つめた。