あれは、期末テストの前だった。



成とふざけ合ってて、あたしが床に倒されて、成の体があたしに覆いかぶさって……。



あと数センチで唇が触れてしまいそうなくらい、成の顔が近くにあって。



見つめ合うだけで、あたしは動けなかった。



でも、砂歩は違った。



成と砂歩の間……ふたりに距離なんかない。



砂歩は、成の彼女だから。



見つめ合って、抱き合えば、一瞬で埋められるキスまでの距離。



ふたりは恋人同士だから……。