「あたしさ、なんか邪魔しちゃったね!ごめんね……」
ふたりの顔を見て言ったけど、あたしいま……どんな顔してる?
笑って言ってるつもりなのに、うまく笑えてない気がする。
「じゃあ……先に教室、戻ってるね」
ふたりをその場に残して、あたしは去っていく。
「華っ」
うしろから砂歩の声が聞こえたけど、あたしはそのまま図書室を出た。
なんで、うまく笑えないの……?
なんで、こんなにつらいの……?
どうしてこんな悲しい気持ちになるの?
あたしの知らない間に、成と砂歩が付き合っていた。
成は、小さい頃から女の子にモテてきたし、告白されたこともいっぱいあった。
でも、こうして誰かと付き合うのは初めてだった。
成の初めての彼女は、
あたしの友達、砂歩だった――。