成にとっては……さっきのことなんて別に何ともないのかな……?
「なに睨んでんだよぉ、華」
色羽がもらってきたコロッケを食べながら、あたしの視線に気づいた成。
「な、成が……ブタ華とか言うからでしょ!」
「ブヒッ」
成は鼻の頭を人差し指で押して、ブタのマネをする。
「成っ!」
「いーじゃん。かわいいあだ名だと思うぜ?ブタ華……」
そう言って色羽は、真顔のあとで、すぐに吹き出して笑う。
「バカにして……」
あたしは薄目で色羽をにらみつける。
イタズラっぽく笑う色羽。
「明日からダイエットするわよっ」
あたしは大きな口を開けて、コロッケをかじった。
「ハハッ。今日からじゃないんだ?」
そう言って成は、楽しそうにあたしの顔を見た。
「どーせまた、2日で終わるだろ」
「色羽の言うとおりだな……おっ、華が怒りで震えてるぞ」
――ボフッ……ボフッ。
あたしは枕をふたつ、ふたりの頭に投げつけた。
「あんたたち、覚悟しなさいよ……?」