目の前には、成の顔があった。
あたしたちは、お互いの瞳を見つめたまま、
まるで時間が止まってしまったかのように、動けなくなった。
成の息を感じるほど、近くて。
なんだろう……心臓の音が速くなってく。
「成……?」
あたしを見つめたままの成は、どこか哀しげな表情に見える。
成のこんな顔、初めて見た気がする……。
お互いの唇が、あと数センチで触れてしまいそうなくらいの距離。
成の瞳から視線を逸らせない。
――ドクンッ、ドクンッ……。
胸の音が大きくなってく――。
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