――――――……



見慣れた自分の部屋の天井。カーテンの隙間から差し込む光に朝だと気づく。



目をこすりながら起き上がると、砂歩があたしのそばで床に寝ていた。



そこらじゅうに散乱しているビールの空き缶。



昨夜は砂歩とお酒を飲み過ぎてしまった。



寝ている砂歩の体にそっと毛布をかける。



「イタタ……」



二日酔いなのか、頭が痛い。



色羽の夢を見た。



自分の手のひらを見つめる。



手があたたかい。



夢なのに。



本当に色羽が手を握ってくれた気がした。



不思議……。



――ブーッ、ブーッ。



床の上で、マナーモード中のケータイが振動している。



「あれ……?」



あたしのケータイについていたタンポポのストラップ。



2コのうち、1コがなぜかとれてしまっていた。



取れてしまった方のストラップは、床の上に落ちている。



昨日酔っぱらって、なんかしたっけ?



そんなわけないな。酔ってたけど、ちゃんと記憶はあるし。



色羽……?



「まさか……ね。ダメだ。頭がまだボーッとしてる」



あたしは、取れてしまったストラップをぎゅっと握りしめる。