砂歩は、泣いてるあたしの背中を優しくさすり続けてくれた。
「6年前、色羽くんに……自分の気持ちを伝えられなかったんでしょ?」
「うん……っく……ううっ……」
「後悔してるんでしょ?いなくなるまえに、もっと早く自分の気持ち伝えればよかったって……」
あたしは泣きながら小さくうなずく。
「それでもまた……同じこと繰り返すの……?」
あたしはまた……。
同じことを繰り返そうとしてる……?
「ねぇ、華」
「ん……」
「伝えたいときに伝えなかったら、きっとまた後悔する」
砂歩はあたしの体を離して、あたしの涙を親指でそっと拭ってくれた。