玄関のドアを開けると、笑顔で砂歩が立っていた。
「華ー!やっほー!」
砂歩の両手には白いビニール袋。
「いらっしゃい。なにをそんなにたくさん買ってきたの?」
「ビール!今日はいっぱい飲もっ」
「すごい量だね。ま、明日休みだしね。砂歩うちに泊まってくでしょ?」
「その予定で来たよ。よろしくーっ」
2ヶ月ぶりに会った砂歩は、いつもと少し違った雰囲気。
「砂歩、なんかいいことでもあったの?」
「えへへっ。わかる?その話は後でね」
「えー?なになにー?気になるー」
砂歩はうちに泊まっていくし、今夜はとことん飲んで語り合おうじゃないですか。
「おじゃましまーす」
「どーぞーっ」
砂歩は部屋を見回した。
「華、部屋きれいにしてるね」
「いやいや、砂歩が来るから急いで片付けたの」
「なんだぁ。そぉなの?」
「一人暮らしだと、どんどん散らかってく」
「わかるー」
砂歩はキッチンに立ち、あたしと一緒に鍋の準備を手伝い始めた。