心ちゃん、智也くん、遊也くんが手を繋いで、お母さんと一緒に帰っていく背中をあたしは見つめていた。
“ここちゃんは、おおきくなったら、ボクのおよめさんになるんだもん”
“ダメだよ。ここちゃんはボクのおよめさんになるんだから”
まだ幼かったあの頃と重ねる。
『はなちゃん!おおきくなったら、ボクのおよめさんになって』
『なるくんのおよめさんに?』
『ダメだよ。はなちゃんは、ボクのおよめさんになるんだから』
『いろはくんのおよめさんに?』
また、めぐりあえた――。
胸の奥が、じわりと温かくなる。
あの子たちの未来には、どんな幸せが待っているんだろうか。
あの子たちも大人になったとき、いまの瞬間を思い出す時が来るのだろうか。
どうか、どんな過去も。
いつか懐かしむ時がきたら
あの子たちにとって
優しい思い出でありますように。