「……華」



成の声に、あたしは目を開ける。



成の真っ直ぐな瞳に視線を逸らせない。



「小さい頃から……華のことが好きだった」



「……うん」



「でも、色羽が華を好きなこともわかってた」



「……うん」



「俺には、色羽も華も……ふたりとも大事だから。ふたりが付き合えばいいって思った。そうすれば俺たちの関係は壊れることもなく、3人でずっと一緒にいられると思った」



「……うん」



「俺が諦めたらいいんだって思った。でも……華のこと忘れられなかった」



成の瞳から、涙がこぼれ落ちる。