『ごめんね、砂歩……ごめんね……』



成と砂歩が付き合いだして、心から喜べなかったこと。



砂歩に、成への気持ちに気づいてからも打ち明けられなかったこと。



砂歩のつらい気持ちに気づいてあげられなかったこと。



砂歩に謝りたいことは、たくさんあった。



溢れる想いが涙になってこぼれ落ちていく。



『華……これからもずっと友達だからね。大好きだよ、華……』



『砂歩……っく……あたしも大好きっ……ううっ……』



西内砂歩。



色羽と成。生きてきた中で、このふたり以外に、初めて大切だと心から思えた友達。



―――……



あの時、ふたりが別れたことを知ったけど、成は今日まであたしに何も言わなかった。



あたしからその話題に触れることもしなかった。



あれからもずっと、成とあたしの関係はいままでと同じ、



幼なじみという関係でいた。



――ザザザーッ……ザーッ……。



あたしは、穏やかな波の音に耳をすまし、目を閉じる。