「おじさん……おじさんは、ひとりじゃないからね……」
あたしの言葉に成も何度もうなずいた。
「ここに娘と息子がいるでしょ?あたしたちのことも忘れないでよね?」
「そうだよ、おじさん。俺たちは、3兄妹みたいなもんなんだから。それに色羽は、いまもそばにいるよ。ちゃんと俺たちのそばに……。今日でダメ親父は卒業してくれよな!」
「……そうか……わかった……俺は子供たちに恵まれたな……」
あたしたち3人は、空を見上げた。
15年前のあの日のように。
目を閉じると色羽の笑顔が浮かぶ。
色羽のお父さんの手を通して、色羽の手とぬくもりを思い出していた。
やっぱり似てるね。
親子だからかな。
色羽の手と、そっくりだよ。
優しさが伝わってくるように、あったかい。