「色羽にまだなにも言ってない。伝えたかったことがあるの。あたしを好きになってくれて、待ち続けてくれた色羽に……ちゃんと伝えたかったぁ……うわぁぁぁーん―――」
俺は泣き叫ぶ華を抱きしめる。
「……会えなくなる前に……あたしの気持ち……言いたかったのに……。色羽に逢いたい……どこにいるのっ?ねぇ成……教えてよぉ……っ」
俺だって知りたいよ……。
色羽……どこにいるんだよ……。
なんでいないんだよ。
「……成……色羽に逢いたいよぉ……っく……ううっ……ずっとそばにいるって……一緒にいるってそう言ったのに……」
「華……」
「……色羽のウソつき……逢いたいよぉ……」
「俺だって……逢いてぇよ……逢いたいに決まってんだろ……」
約束したのに。
どこ行ったんだよ……色羽。
華が泣いてる。
色羽を待ってるんだよ。
逢いにきてくれよ。
頼むよ。
せめてもう一度。
もう一度だけでもいいから……。
「俺だって、色羽に逢いたい……」
華の体を強く抱きしめる。