俺は、西内の待つバイト先のコンビニ近くの公園へと向かっていた。
歩きながら浮かぶのは、色羽の笑顔と、華の無理して笑う顔。
公園に着くと、西内が飼っている犬のメロンと、じゃれ合ったり追いかけっこをしていた。
「あ、成くんっ」
俺が来たことに気づいた西内は、メロンを連れてこっちに走ってくる。
西内は、いつもと変わらない笑顔を俺に見せた。
「呼び出してごめんね?」
「平気。近くに来てたから」
「そぉなの?」
「うん。西内の話って?」
「……うん……座ろっか」
俺と西内は、公園のベンチに座った。
西内がメロンを抱きかかえると、メロンはおとなしくなった。
西内はうつむき黙り込む。
「西内……?」
「成くん、もう無理しなくていいよ……」
「え……?」
西内は顔を上げて、俺を見つめた。
「……うちら……別れよ」