家に帰って、部屋の布団の上で横になっていると、ドタバタと足音が聞こえてくる。
――ガチャ。
「華っ!」
部屋のドアを開けたのは、息を切らした成だった。
「大丈夫かっ!?」
成は布団の横に座って、あたしの顔を心配そうな顔で覗く。
「平気だよ。心配した?」
あたしは成に笑顔を見せる。
「はー。すげー心配した。ホント心配したんだからなぁ……」
額に汗かいて、息切らして、必死に学校から走って来てくれたんだろうな。
「華が倒れて、俺も病院についていこうとしたら担任にバレて止められてさ。マジ授業どころじゃねーっつうの」
「どこも異常ないって。ホント大丈夫だから安心して?」
「そんなわけないじゃん」
成は真剣な顔であたしを真っ直ぐに見つめる。
「大丈夫じゃないから倒れたんだよ」
「ホントに体どこも悪くないって……」
「じゃあ、心は?……無理してんだよ、心が」
「……無理なんかしてないって」
「そうやって……ひとりで抱え込もうとすんなよ……」