** 華side **



――――――……



――キーンコーン、カーンコーン。



下校時刻のチャイムが校内に鳴り響く。



「さ……」



砂歩の名前を呼ぼうとするけど、教室の隅で成と話していることに気づき、呼ぶのをやめた。



なんか……本当に最近は、この光景を見ても前よりも全然平気だ。



成と砂歩が笑って話している姿。



ふたりも付き合ってから、ずいぶん経つし。



あたしもやっと、その事実を受け入れようとしてるんだ。



無理やりではなく、自然に……。



このまま思い出にしていきたい。



いまは心からそう思える。