「ふたりのこと、置いてっちゃっていいの?」



砂歩の言葉に、あたしは頷く。



「いいの、いいの。一緒に廊下歩いてたら、女子からまたなに言われるか……」



「イケメンの幼なじみがふたりもいると、華も大変だね」



「……あのふたりのどこがいいんだか」



「みんなきっと、うらやましいんだよ。華のことがさっ」



砂歩は、あたしの肩をポンポンと優しく叩いた。



「二股だとか、男好きだとか、調子に乗ってるだとか?どれだけ女子たちにあたしが悪口言われてるか……色羽も成も全然気づいてないのかなぁ?」



「男って、女のそーゆーことには疎いからね」



「ですよね」



色羽と成は、女子たちから人気がある。



そんなふたりと幼なじみのあたしは、女子たちからまるで敵のような扱い。



色羽や成と学校で一緒にいたり、話していると、女子たちからの怖い視線を感じる。



そのせいで、1年の時は女友達がひとりも出来なかったけど、



2年になって同じクラスになった砂歩だけは違った。



あたしがどれだけ女子たちに嫌われていても、友達でいてくれる。



性格も優しい子だし、ノリも合うし、大好きな友達。