「わっ!」
いきなり後ろから聞こえた声に、体がビクッと跳ね上がった。
振り返ると、イタズラっぽく笑う西内が立っていた。
「ふふっ。びっくりした?」
満面の笑みで聞いてくる西内に、俺もつられて微笑む。
「うん。びっくりした」
「もぉ。さがしたんだよぉ?」
「あぁ、ごめんな」
「もしかして、ひとりになりたかった?」
俺は、首を横に振る。
「ホントに?邪魔なら砂歩どっか片付けでも手伝ってくる……」
俺は、行こうとした西内の腕をぎゅっと掴んだ。
「邪魔じゃないよ」
俺は腕を掴んだまま、西内の体を自分の方に勢いよく引き寄せる。
「邪魔なわけないじゃん……」
俺の言葉に西内は微笑んだ。
「あ!成くん!星がすっごくきれいだよぉ」
窓の外の星を指差した西内の笑顔を見て、俺は胸が痛んだ。
西内に謝らなきゃいけない。
俺は最低なことしたんだ。
「……文化祭、あっというまだったねっ」
「あぁ」
窓の外をふたりで見つめる。
「……西内、俺さ……」
「ん?」
「……本当ごめん」