モノマネを全力でやった結果、周りにいた人は、予想通り苦笑い。
でも目の前にいた色羽は、すげー笑ってた。
「アハハッ……だっせー。すべってるし……アハハハハッ……」
あぁ、すべったから笑ってたんか。
「色羽、笑いすぎだって」
「ドンマイ、成」
「笑いすぎて、色羽泣いてるじゃん」
「はぁ……マジでウケる……笑いすぎて腹いてぇ」
笑いが止まらない色羽を見て、俺は微笑んだ。
笑いすぎて涙目になっている色羽は、俺を指差して言った。
「ハァ……笑った。成、もっかいやって」
「やだよ。またスベるじゃんかぁ」
「えー?それが面白いんじゃん」
「なっ……ひどっ!俺のせいじゃないからな!お題のせいだからな!」
「アハハッ」
なぁ……。
色羽がこうやって笑う顔を見るとさ、
俺……ホッとするんだよな。
いつからこんなふうに思うようになったんだろう。
ホント……いつからかな。
色羽には、つらいことは忘れて、笑っていてほしい。
そう思ったんじゃないか。
大好きなふたりが、結ばれるなら。
俺も幸せだろ。
だから俺の気持ちは、
華への想いは……消すことに決めたんじゃないか。
消せるはずだったのに。
なのにどうして……。
どうしてあんなことしちゃったんだよ俺……。