** 成side **
俺は階段を一気に駆け降りていく。
1階まで降りて、階段の隅にいき、立ったまま壁にもたれかかった。
――ゴンッ、ゴンッ。
頭の後ろを何度も壁に打ち付けて、行き場のない気持ちをぶつける。
「……なにやってんだ、俺は」
寝てる華に、なんでキスなんか……。
マジで、どうかしてる。
大きく息を吐き出し、目を閉じた。
慌ただしい心臓の音と、後悔の気持ちが同時に俺の胸を苦しくさせる。
なに考えてんだよ、バカか俺は。
華が俺の肩にもたれかかって、
華の寝顔を見つめたあの瞬間、
俺はなにも考えられなくなって。
気づいたら華にキスしてた。