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朝から、きれいな水色の空が広がっていた。
文化祭、当日。
「それじゃ、気合い入れて!怖がらせていきまっしょーいっ」
教室の前の廊下のところで、オバケの衣装に着替えたクラスメートたちが、円陣を組んでいた。
楽しい文化祭になるといいな……。
「華ー。どこから、まわろっかぁ?」
砂歩もあたしも、午前中は当番もなく、ゆっくり校内をまわることが出来そう。
「どーするー?」
砂歩は廊下を歩きながら、文化祭の冊子を楽しそうな表情で見ている。
「ねぇ、華。ロシアンたこやきってあるよ?6コのうち、1コだけ超大量カラシ入り!」
「うーわっ!なにそれ。罰ゲームじゃん」
「食べてみたくない?」
「砂歩のそのチャレンジ精神みたいのは、一体どこからやってくるわけ……?」
「へへっ」
砂歩の幸せそうな表情。
成と、うまくいってるんだろうな……。
「ねぇ、行ってみよーよ!華っ」
砂歩はあたしの手を掴んでニコッと微笑む。
あれから他のクラスの怖い女子たちに何かされてる様子もないし、ホントによかった。
砂歩のことは、成が守ってくれるもんね。
「華?そんなにイヤ?ロシアンたこやき」
「ううんっ!いこっ」
あたしたちは廊下を走っていく。