「3人でチャリ乗ってこーぜー!」
そう言って満面の笑みを見せた成は、あたしの手を引っ張ってく。
「おいっ。おまえらっ」
「だって俺のチャリはパンク中だし、華はチャリ持ってないんだし。色羽だけラクするのずるいじゃんかぁ」
成の言葉にあたしも頷き、色羽の顔をジッとにらむ。
「だからって……」
「レッツ、ゴー!」
あたしと成が元気よく揃って叫ぶと、色羽は肩を落としてため息をついた。
「華がサドルで、成が後ろのケツに乗ったら、俺どこに座んだよ?」
不満そうな色羽に対して、成とあたしは歯を見せてニコッと笑う。