~瑞希side~
私と遥斗の出会いは二人が4才の頃だった。初めてこの町へ引っ越して来て間もない頃、知り合いも誰もいない私に声を掛けてきてくれた遥斗。この頃からやんちゃだった遥斗は、当時の言葉も無愛想だった。
「おい、そこのおまえ」
「……?」
「あんただよ。ちょんまげしてるやつ」
「わたし?」
「おまえしかいないだろ」
「なに?」
「いっしょにあそんでやる」
「え?」
「だから、おれがおまえとあそんでやるっていってるんだ」
「なんで?」
「どうせ友だちいないんだろ。ひっこして来たばっかで」
「うん」
「じゃあこっちに来い。おれがあそんでやるから」
「わかった」
そう言って私の手を取って、公園へ連れて行ってくれた遥斗。私はこの時、ふと思ったんだ。『この人はきっと私を守ってくれる』って――――――――――。