ほんのり赤く染まった白い肌。

潤んだ色っぽい瞳。

濡れた唇。




あれってさ。


全部、兄貴だから、兄貴が好きだから、見せてたんだろ?



あの子は、兄貴が好きだったんだろ?






かすかに見えた透明な涙。



あれって、無視しちゃダメなもんだろ?






恋なんてしたことねーし。

好きなんてわかんねーけど、でもさ。



あの子の想いがそうやって踏みつけられんのは、すっげーヤダ。








―――ゴンッ!!!!!!



気がついたら俺は、兄貴の胸倉を掴んでいて。

気がついたら自慢の石頭で頭突きをくらわせていた。





「・・・・・・な・・・に、すんだよ悠介っ!」


「お前がなっ!!!!!!」