更に目が見開かれる。


それから、申し訳なさそうに、女の子は俯いた。



「・・・・・・ごめんなさい。ストーカーみたいなことして。

気持ち悪かった・・・ですよね?」


唇が、きゅっと結ばれる。





―――違う。



そんなこと言いたいわけじゃない。

そんなふうに思ったことなんてない。




そんなじゃなくて。







「・・・すげぇなって、思った」


「・・・・・・・・・へっ・・・」



女の子が顔を上げる。

ぱちぱちと目を瞬く。


涙はとまりはしない。

キラキラ輝いて、頬を伝う。



「毎日毎日、あんな兄貴の部屋見上げて。

健気で一途でバカでアホな奴だって思ってた。


けどさ。

今日、なんかいろいろ乗り越えて、兄貴に向かい合った姿が、なんかすっげーカッコイイと思ったんだよ」