追ってきたのは衝動とかいうものからで。


正直、なんで俺がこんなことしてんのかイマイチよくわかんねー。





けど。


必死に兄貴と俺の部屋を見上げていた姿が、離れなくて。



あの子が1人で泣くなんてありえねーって思った。






理屈じゃない。


ただ、気になって。

気がついたら追っていて。

もうたまんなくなって、頭を撫でた。



そんな感じ。








「・・・・・・ありがとう」



目を見開いて俺を見る、彼女。


この子の背中って、こんな小さかったっけ?






「・・・見てたんだ。俺。

ずっと兄貴と俺の部屋見上げてる君を。

10日間、ずっと見てた」


「・・・・・・えっ・・・」