ハッとしたように顔をあげるあの子。


俺の顔を見て、ぽかんとした顔をした。




「へっ・・・え、と・・・・・・?」


「悪いな兄貴じゃなくて」


「あにき・・・?あ、あ・・・おとうと、くん?」


「そう」



初めて話した状況がコレって、なんつーかちょっと普通じゃねーな。


なんてどうでもいいことを思いながら、頭を撫で続けた。




って、なんか緊張するな、コレ。

痛くないといいんだけど・・・力加減がわかんねー。



「な、なんで・・・おとうとくんが・・・・・・」


「んー・・・兄貴の代打?」


「・・・だいだ?って、なんで?」



ボロボロ涙を零しながら首を傾げる彼女。

俺はちょっとだけ笑って言った。




「ただの俺の自己満足みたいなもんだけど・・・。

兄貴がしたことはすっげーしょうもないことだし。

それでも兄貴のこと想ってくれたから、たぶん兄貴も感謝してると思う。

だから、まぁ、その気持ちとして・・・みたいな?」



だと思うんだけど・・・やっぱなんかよくわかんねー。

そうな気もするし、そうじゃないような気もする。