そして俺は―――



涙ぐむばーちゃんを残して、あの子の後を追っていた。





なんでかわかんねーけど、追わなきゃって思った。


衝動、本能、勢い。

ホントに全然わかんねーけど、そういう感じのモノが、俺の脚を動かしたんだと思う。





「・・・・・・はっ!?悠介!?」


兄貴のそんな声が聞こえたけど、無視無視。





小さく見えるあの子の背中を、必死に追った。



なんで俺が追うのかマジで意味不明だったけど、ただ――


あの子を1人にしちゃダメだと思った。





兄貴は、あの子の言葉で変われるかもしれない。

隣にオンナだっていたわけだし。


あの子も、兄貴に気持ち伝えられて、スッキリしてるかもしれない。





けど、けどさ!


あの子まだ兄貴のこと好きなんだろ?

きっと思い出になんかできてねーんだろ?



それなのに。