兄貴お前また・・・



「ぴんく、落ち着け。コイツはただのモトカノだから・・・。」




んだよ・・・。

昨日は違う女抱いてたくせにさ。



つーか、ぴんくって何?

名前?え、名前なのか?




疑問を持ちつつじとりと電柱柱の影から兄貴達を盗み見る俺。

と、そんな俺をじとりと見続けるばーちゃん。



ところでばーちゃん。

一体どこのどなたなんでしょうかね?


そんなに俺、変人っぽいですかね?



ねんて心の中で聞いていると、あまりに凛とした声が聞こえた。





「そうだよ。

私は洋介君にとって、ただのモトカノ。

だけど、モトカノだからって言いたいことも言っちゃいけないなんて、ないでしょ?」



胸が、つまった。




瞳にたまる涙。

ふるえる握り拳。

噛み締められた唇。


10日間の彼女の姿が、蘇って、何かが溢れそうになった。