「・・・・・・洋介君っ!」



なんと。


あの子が、オンナと返ってきた兄貴に話しかけたんだ。





え、マジで・・・!?


まさかの展開に、思わず俺は電柱の影に隠れる。



おかしな男子高校生だと思われるだろうが、そこは無視の方向で。




ちらりと顔を覗かせ、修羅場になるっぽいとこを見つめる。


俺の熱視線を受けたからか、ぽかんとしていた兄貴が声を発した。





「・・・あ、朝霞(アサカ)?」



なんでここにいる、みたいなニュアンスに、俺の中の何かがまたもやプチッと切れそうになった。


お前・・・気付いてなかったのかよ!




あぁもうまじ最低・・・弟として恥ずかしい・・・・・・。


電柱の影で頭を抱えた俺を、訝しげな顔で見つめる白髪のばーちゃんが1人。



え、ばーちゃんいつからそこにっ!?



なんてばーちゃんに驚いている間に、オンナの高いキンキンした声が鼓膜を刺激した。



「ちょっと洋介!どういうことよ?!」