「いただきまーす。」


まだまだ王子と夕ご飯を食べているこの状況には慣れない。


でも、

「うまっ」

そう言ってくれるこの人の事を少しずつ知りたいなんて、無意識のうちに思い始めていた。



「あ、ご飯粒ついてる。」


王子があたしの髪を指す。


「え、うそ、どこ?」

「じっとしてて。」


その言葉と同時にあたしに近づいてくると、

王子は細長い指で器用にご飯粒をとり、パクッと食べてしまった。


「あ、ちょっ、食べるな!もうあんたはいつもいつも……」


言いかけた時、