「んー……じゃあ、許す代わりにキスして。」



この男は、何て事を言うんだ。




「…………は?き、キスって」


そう何とか言葉を返したけど、

その唇に指をさした動作に、不覚にも魅入ってしまった。



「嘘だよ。お前がその気になってしないと意味ないし。」


「うそ……っていうか、あたしはキスなんて絶対しませんから!」


「はいはい。そんな事言ってられるのも今のうち。」


まったく……この王子という生物は、どうしてそこまで自信に満ち溢れているのか。






「あ、でもキスの代わりに俺の弁当作って。」