「愛衣、愛衣」


「ん?なに?愛」



愛が笑いをこらえながら話しかけてきた。



「まーたやってんね。夢先パイたち」



ぷぷぷって笑いながら、愛が言う。



「お互い好きなのモロバレだよね~
 早くつきあえばいいのに」



からかっているようだけど、羨ましそうだった。



夢先パイは1個上の先パイで2年生の中で
一番仲のいい先パイ。


自分で言うのもどうかと思うけど、
あたしと愛は夢先パイに気に入られてると思う。


夢先パイはハキハキしてて、可愛らしい。

それにモテるんだよね。

でも、自覚なしだからいい人。

そういうので自慢とかしないし。


とか思っていると



「ふぅっ。やっと謝ったわー」



とか言って、やれやれみたいな感じで
夢先パイが戻ってきた。


愛と2人でニヤニヤして見ていると、
先パイが気づいて


「ニヤニヤしないのっ!」って照れながら
怒ってきた。

でも全然怖くなくってむしろ可愛くて
「仲良いですね」って言うと、

「……うん…」って顔を赤くして
小さく頷いてくれた。



「あぁ、恋してるんだなぁ」って思った。


「羨ましい…」って思ってたら隣で愛が



「羨ましいねー」

って呟いていたから、ふふって笑ってしまった。


「え?!何?」


って愛がびっくりしながら聞いてきたけど


「んーんっ、何でもなーいっ」


ってるんるんで前を歩いて行った。



きっと、今愛の頭の上に「?」マークが
浮かんでいるだろうなー。


ふふふ…。