なに言われるんだろう、とドキドキしたそのとき。



「明日、デートしてよ」



「……は? で、でーと?」



都築くんはアッサリと言い、そっぽを向いた。



その横顔がほんのり赤くなっていたのは、気のせいなのだろうか。



でも、デートって……よく男女が映画館や水族館なんかに行ってイチャイチャするアレのことですか?



あたし、少女マンガと道端でしか見たことないけど……。



「なに驚いてんの? デートだよ。もしかして澤上さん、デートしたことないの?」



「は、はい……」



そのとおりでございます。



だってあたし、安田くんが初恋なんだもん! デートとかしたことあるわけないじゃん!



「っていうか、あたしとデートするって正気なの?」



あたしとデートなんかしても、きっとつまらないだろうに……。



「都築くんを誘ってくれてる女の子とか、たくさんかわいい子いるじゃん。どうしてよりによってあたしなの?」



「……はぁ、わかってないなぁ」