「キャ────!!!!」
驚いたあたしは思わず叫んでしまう。今日のクラスの女の子たちの叫び声にはかなわなかったけど。
「うわ、ビックリした」
そして、あたしの隣にいる美奈ちゃんはいたって冷静。たったひと言、そう呟いただけだった。
そ、そこにいるのはいったいだれなの……?
あたしは不安に思っておそるおそる音のしたほうを見た。
そこにいたのは……表は王子様、裏は俺様なあの人。
そう。
「都築くん……!」
そこにいたのは、都築くんだった。
「……驚きすぎだ、このバカ」
都築くんはあたしをキッとにらみつけて言った。
何度にらみつけられても、その怖さには慣れられない……。
都築くんはなにかを考えるようにしばらくだまっていた。
そして。
「……ったくなんなんだよ、もう俺の正体に気づいてるとかねーだろ」
苦しげに頭をわしゃわしゃとかきながらそう言った。
「まあ、でもよかったな。藤岡さんと澤上さんが教室を出ていったのが怪しくてついてきたんだ。そうしたら正体バレてることに気づいたし」