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「桃花、あんた……やっかいなのふたりに気にいられたわねぇ」



1限終わりの休み時間。



美奈ちゃんはあたしをひと気の少ない中庭に連れて、そう言った。中庭は緑の多いいい場所だ。ただし、どうしてか日かげが多くなってしまってジメジメしているため、あまり人が近寄らない。



教室はさっきのことで騒然としていたから美奈ちゃんが連れだしてくれたんだ。



でも……。



「ふ、ふたりって……?」



いったい、だれとだれ?



そう訊くと、ホントに桃花は鈍感ね、と苦笑された。



「都築と安田よ」



美奈ちゃんはハッキリと言った。



え、ちょっと待ってください美奈ちゃんっ!



「都築くんはたしかにやっかいだけど……安田くんはちがうよ? だって、安田くんはホントにいい人なんだもん!」



美奈ちゃんひどいよっ、都築くんだけならまだしも!



そう訴えるとこんどは、バカね、と苦笑された。



「安田はたしかにいいヤツよ。でも、天然がすぎるっていうか。あれは無自覚で女を誘惑するのよ。しかも自覚ないのがタチ悪いんだから!」



なるほど!