一瞬、停止する思考回路。



そして思考回路が再び動き出したとき。



「ど、ど、ど、どどうして都築くんがあたしのスマホを!?」



あたしは今までにないくらいの大きな声で叫んでいた。



「どうして、の『ど』は1回だけだよ?」



驚くあたしとは反対に、冷静な都築くん。



「朝、落ちてたよ。気づいてなかった?」



ウソ……朝、あたし落としてたの!?



「はいっ……」



全く、気づきませんでした……。



でもよかった、都築くんが拾ってくれてて!



「ありがとう!」



あたしは都築くんの手の中のスマホを、半ば無意識に受け取ろうとした。