「わかってないみたいだね、澤上さん。このまま誤魔化したいけど、バレちゃったらしょうがないなー」
都築くんはけだるそうに話しはじめる。
「俺は完璧王子様を演じてるんだよ。これは表の顔。それでホントの俺は、腹黒で毒舌で意地悪なこんなヤツ」
「……へっ?」
それはつまり、みんなを騙してるってこと……?
まさかそんな。まさか……。
「ウソでしょ……?」
衝撃のあまりおとなしくなるあたし。
みんな都築くんを完璧王子様って信じてるよ! っていうかあたしも信じてた!
「わっ……!」
あまりにビックリして思わず持っていた本を落としそうになってしまう。