そんなあたしの様子を見て、都築くんはニヤリと笑った。
「……え?」
いつもの優しい微笑みとは違う、不敵で意地悪そうな笑み。
都築くんがそんな表情するわけない。
ってことは……まさか、都築くんはふたりいるの!?
いや、でもそんなわけない。ここにいるのは都築くんだよ……。
じゃあ都築くんは、ホントはこういう人なの……?
ぐるぐる心の中で色々な考えをめぐらせていると、都築くんがおもむろに口を開いた。
「……あーあ、俺の本性に気づいちゃったんだ?」
「……!」
都築くんはぐっとあたしの近くに寄った。
「なに驚いてるの? あ、そうか。俺の表の顔は完璧王子様だったもんね?」
やっぱりこの都築くん、いつもの都築くんと違う……!
そして表の顔ってなに!?
イマイチ状況をのみこめていないあたしに、都築くんは言う。