何度も謝ると、向こうから笑い声が。



「桃花ちゃん、そんなに謝らなくても」



いま大丈夫? と訊かれて、はいと答える。



「突然ごめんね。……俺、ちょっと桃花ちゃんの声が聞きたかったんだ」



爽太くんはどこか落ちつく、優しい声で言った。



「あたしの声……? なんでそんなものを?」



そんなの聞いてうれしいの?



「だって桃花ちゃんが大好きだもん。無条件で聞きたくなるよ」



「……っ」



爽太くん、いまサラッと言ったけど……あたし、真っ赤だよ。



憧れの爽太くんから「大好き」なんて。