「……今日の姉貴、なんかおかしいなって思って。沈んだ顔してる」



「……ギクッ」



思わず擬音語を発してしまった。



でも、それほどにあたしは動揺してしまっていた。



まさか、和也に気づかれちゃうなんて……。



あたし、それくらいいつもとちがう顔してたのかな？



「ヘンだよ姉貴。姉貴はいつもそんなふうに物ごとを真剣に考えることなんてないのに」



慎重な面持ちでそう言う和也。



「……あれ、なんかあたしのことディスってる？」



「姉貴、それよりもさ」



あたしのささやかな疑問は和也のそんな言葉によって消された。