「なあ」



"そいつ"の声で、私は現実に引き戻される。

私を真っ直ぐに捉えた瞳。



「…な、に」



声が、震えてる。


なんだろう。


なんでだろう。





あぁ、そっか。




私はこの人が、




大嫌いだからか。



冷たい、冷たいこの人が。