私はゆっくりと顔をあげる。 "早く見たい" そんな気持ちとは裏腹に、さっきの何倍もスローモーションに進む世界。 ようやくその人の口を、目を、顔を見れたとき。 なんだか、言葉にできないような感情がこみ上げてきて。 真っ赤のような。真っ黒のような。それでいて、真っ白な、そんな感情。 時間が、止まった気がしたんだ。